<月刊AMI>2007年9月号 Vol.74 ■△▽●○□


1。はじめに


「AMIメールニュース 」を「愛語回天」や「障子を開けよ!」などのメルマガやブログと同じ欄でご案内しています。
同メールは、ほぼ、毎週発行しています。最近の8月26日(25号)では、安岡 正篤先生(1898年-1983年:陽明学者・東洋思想家)の「人格」を語るのに、「徳性・知能・技能・習慣」の4要素が絡んでいるということを広島の木原先生から教わったと書いています。
私は、「徳性」や「知能」や「技能」は、「蓄積」が利くものであるが、最後の要素、「習慣」は、「蓄積」ではなくて「持続」というもので公式化すると★「人格」=(「特性」+「知能」+「技能」)x「習慣」★と掛け算になると考えて私見を展開しています。
私は、「人格」は、他人が見る評価と考えています。
蓄積したものも重要なのですが、「習慣」という持続性のものが掛け算で評価に加わるのです。
幾ら過去の実績が高くても「止めると評価がドンドン下がる」のです。
まさに「継続は力なり」なのです。ご興味のある方は当社のホームページをご参照くださいますようお願いします。


2。暗示について

「人は『暗示』で9割動く!」(内藤諠人著:鰍キばる舎発行)という本を読みました。
タイトルにつられて買ったので、期待が大きい分、少し、ガッカリした内容でもありました。
しかし、若い人が入門的に読むには最適な内容かも知れません。
人によって感じ方が違うのは「当然」なのですが、物を買う時に「能書き」に振り回されないことを再認識するとともに、逆に、タイトルやネーミング、ワーディリングで人を動かせることも確認しました。
私は、営業関係の方に読んでもらいたいと思います。
心理学の基本のような事柄が書いてありますので、一度は読んで頂きたいと思います。
従って、本の内容は、こういう訳で省略して、私の考える「暗示力」をご披露したいと思います。

よく「あれだけ忠告したのに・・」とか「あれだけ説明したのに・・」と言って悔しがっている光景を見ます。
自分自身でも何度も経験しています。
「親身」ということで、それこそ相手を思って忠告やアドバイスをするのですが、結果的には、何も聞いておらず、別の方向へ進んでいるというケースが代表的な例と思うのです。
逆に、「さり気ない」というキーワードで、その一言が心に響いて相手が動くということもあるのです。
この親身に、熱心であることも重要なのですが、具体的になれば、なるほどに「反作用」が働くということがあるのです。

例えば、新製品の場合、営業のテクニックである「4つの質問」SPIN法

・Situation:状況を訊く
・Problem:問題点を訊く
・Implication:示唆する
・Need-payoff:費用対効果を確認する

を駆使して、順に話を進めてお客様に迫って行くのですが、相手の心に「響く」のは、問題点を確認した上で提示(示唆)する言葉なのですが、この段階での「引き方」があるのです。
「○○でお困りのようですね、ピッタリなのがあるのですが・・?」と婉曲的に迫るのと、「○○でお困りなら、□□がピッタリです!」と言い切るのでは、どんな差が生じるかという点なのです。

 「釣り」をする方なら、前の婉曲に迫る方法がよいという理由は、よく分かって頂けると思います。
「○○でお困りのようですね、ピッタリなのがあるのですが・・?」という少しアイマイにした方が、相手がこちらに関心を示すタイミングがあって、丁度よい「間」となって、「実は、今度の新製品□□は・・」と続けるとグッと食いつくのす。
このワン・クッションの「間」をおくのが「コツ」と思っています。
実際に、□□の売れ方が大きく変化するのです。この応用編として、

☆「君に頼みたいことがあるのだが、大丈夫かな?」
☆「君のお母さんは、どうしているかな?」
などという「掴み」の方法もあります。

 最後になりますが、営業の方々は、「人は『暗示』で9割動く!」という本を是非、回覧していただきたいと思います。
「きっと、役にたつことがあると思うのですが・・」というのが、正しいのかも知れませんね。





3。さいごに

 8月25日から2日まで世界陸上大阪大会が開催されました。
猛暑の中でレースが実施されて、世界のトップ選手が足にケイレンを起して途中棄権したり、ひどいケースではハードルにぶつかってケガをしたり失神したりという状況でした。
日本選手が地の利を活かして大活躍するかと密かに期待したのですが、自己ベストを更新するような選手も出なかったのが残念でした。
実力を発揮するという事の難しさを垣間見たように思います。
しかしながら、世界のトップ選手は、その実力に近い成績を上げていました。
一つ抜き出るという実力差が大きくものを言った感じでした。

 
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