<月刊AMI>2008年3月号 Vol.80 ■△▽●○□


1。はじめに

 「営業のABC」って、ご存じですか?
初めてという方が多いと思います。
A=当たり前のことを、B=バカにしないで、C=ちゃんとやるという頭文字から出来ているのです。
 昔から「当たり前活動」という運動がありますが、自社のルールを見直すには、「お客様目線」で考える事が大切なのです。
お客様だったら、納入予定日を教えてもらうのが当たり前、とか、この品番は売れ筋なので欠品しないのが当たり前なのです。
このように、日常の事を「お客様目線」で「当たり前」を書き上げて、それらの行動基準を決めて行く手法なのです。
例えば、納入後に「調子伺い」のフォロー電話を入れる事は、お客様から見れば「当たり前」なのですが、なかなか、実践できずに「売り放し」状態なのです。
今一度、この「営業のABC」を使って、いろんな「当たり前」を書き出す事は有意義だと思います。
ぜひ、書き出してください。



2。青木さんの話

 1月に「まいど1号」という人工衛星で有名な潟Aオキの青木社長の講演を聞きました。
いろんなお話をされましたが、その中から2つ「感性は、壁にぶつかった回数だ」と「誇り」についてご紹介します。
まず、最初の「感性は、壁にぶつかった回数だ」ですが、私は、この言葉を聞いて、咄嗟に「壁突破力」を思い浮かべました。
以前にも、「3つのスキル」の向上として、

1)「リレーション構築スキル」 、2)「ヒアリング・スキル」 、3)「壁突破スキル」

をご紹介していますが、この3)「壁突破スキル」を思い浮かべたのです。

 この「スキル」と「力」の違いなのです。青木さんの言葉で、ハッと「スキル」ではなく「回数」なんだ!と思ったのです。
なるほど、現場で戦っておられる青木社長の言葉には重みも深みもあると感銘したのです。
一般に、「ものづくり」の世界では、「知識・技術・技能」の3要素が重要と言われていますが、青木さんの話から、「知識」や「技術」というレベルを超えた「ものづくり」の「技能」という個人という存在の重みを痛感したのです。
「知識」があって「技術」もあるのだが、「技能」が不足すると製品はうまく仕上がらないのです。
私は、青木さんの「感性」は、この仕上げに必要な「技能」を指すと思ったのです。
「細部に神宿る」という言葉がありますが、コンマ何ミリという世界、特に、1000分の何ミリを仕上げる「技能」が「ものづくり」に必要なのです。

 この青木さんの「壁」というものは、営業や人生と言った分野にも当てはまると思います。
どれだけ修羅場を経験したかによって「トラブル」の対応力が違って来ますし、新規開拓の厚く冷たい「壁」をどれだけ突破したかによって生まれる自信に満ちた提案力などに現れて来るのです。
「感性は、壁にぶつかった回数だ」という言葉の「感性」をこのようなオーラと呼ぶような輝きと受け止めて、そのオーラが発する「人間力」と理解したいのです。
安易に「スキル」と「モデル」とかカタカナで表現して、「やり方」を覚えれば、誰でもうまく行くと思うような風潮になっていますが、「壁突破力」という「根性」というものを再確認したいと思います。
何事も「仕上げる」には、根性が必要なのです。

 次に、「誇り」です。
青木社長は、最後に、ある本を朗読されました。
それは、ある所に居酒屋があるのですが、その居酒屋には、一流企業の社員も地元の企業の社員も飲みに来るそうです。
若い人たちは、うち融けてワイワイと会話するようになるのですが、女性もいるので「どちらにお勤め?」と訊かれるのです。
一流企業の社員は名刺を出して名乗るそうですが、地元企業の社員は頭に手をやりながら「ちょっと・・」と口ごもるそうです。
この「ちょっと・・」という言葉で、女性は察しするのだそうです。
ところが、ある青年は堂々と「○○工務店」と名乗ったそうです。
その青年は、「自分が一番と思っている」と誇らしげに会社を自慢したそうです。
この「自分が一番と思っている」という青年の輝きは想像できるでしょうか?素晴らしいですね。
この恋の顛末は別にして、男の私も惚れますね。

 「鏡の法則」と言いますが、皆さん「自分の勤める会社が一番」と誇りに思っていますか?
会社の不足、仲間の不足ごとばかりボヤイていませんか?
こんな状態では、こんな素晴らしい青年が表れても「朱に交われば赤くなる」ですよね。
皆さん、社長や同僚、部下の方々を誇りに思うようにしようではありませんか?
「想いは実現する」というのは成功プログラムで有名なナポレオン・ヒルの言葉です。
皆で「一番」と言い始めると凄いパワーになると思います。
社長、幹部、現場の方々、全員で「一番」と言い始めましょう。





3。さいごに

 毎年の事なのですが、3月は至る所で道路工事が実施されます。
国会では「道路目的税」でバトルをしていますが、今頃、道路工事が集中するのは考えものです。
私は、新規の道路も必要だし、定期的な補修工事も重要な事と考えています。
「道路目的税」でも構わないのですが、その使い方に疑問が多いのです。
もっと計画的に予算が執行されないのでしょうか?「単年度予算」という考え方が問題になっているようです。
年度末にゼロ化しなければいけないという心理で「裏金」問題も発生しているのです。
複数年的な考え方に変更できないものでしょうか?    

 
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