<月刊AMI>2008年5月号 Vol.82 ■△▽●○□


1。はじめに


ガソリン税の問題で国会が大騒ぎになりましたが、やっぱり、160円というのはこたえますね。
ニュースで年間30万円も違ってくるという話もありましたが、ひと家族で年間1万リッターもガソリンを使う時代なのですね。
リッター10kmとして計算すると年間10万キロ、月に8千キロも走るのですね。
そのニュースでは、5台もあると言っていました。
都会に住んでいると想像もつかない世界ですね。年間1万キロも走らないという保険もある位ですから、雲泥の差ですね。
「油断」ということを堺屋太一さんが20数年前に書きましたが、ガソリンがなくなったら、どうなるのでしょうかと思います。


2。壁突破

右に掲げている「訓」は、以前にもご紹介している
浪速楽笑こと田中幸男さんの書です。

『桃が割れて桃太郎が生まれてくるのではない
 桃太郎が成長するから生まれるんや
 自分が成長しないとその壁は破れない
                ほんまでんな 楽笑』

と書いてあります。
 皆さん、「壁」にぶつかった時にどうしていますか?
人生にはいろんな「壁」が待ち構えていますね。
こんな時に、誰しも「なんで俺が・・」とか「もっと、カンタンになれへんのか・・」と不満に思うものですね。
確かに、誰かが割ってくれて「桃太郎」になっていたというなら、この上なく楽しいですね。
しかし、宝くじを買っても当らないように、そんな夢みたいな話はないのです。

 楽笑さんは、『自分が成長しないとその壁は破れない』と書いておられます。
この言葉は、腑に落ちますね。「自助努力」や「天は自ら助く者を助ける」とも言いますね。
人間、誰しも生まれ持った才能は大差ないと言われていますが、環境の差で徐々に違いが大きくなっていくのです。
ある意味、個性が伸ばされるのですが、時間の使い方や「やり方」の創意工夫で知恵の付き方が変ってくるのです。
「成長」って、そんな風に差がついて、個性の違いが出ると思います。

 桃太郎は桃から生まれたと言われますが、多くの絵では
お爺さんとお婆さんが桃を割ってくれるように描いていますが、楽笑さんは、右の図のように、自分で桃を割って生まれてくるとおっしゃっているのです。
この着眼点は、船場商人だったお父さんから教わったとの話です。
さすがに、船場の哲学らしいですね。子供の頃(戦前)、お父さんからこんな話をたくさん教わったとおっしゃっています。

 私は、58才ですが、今も「壁」にぶつかって「新しい境地」を切り拓いています。
「才能」というものは、幾つになっても出て来るように思っています。
皆さんも「若年寄り」にならずに、いつまでも「自分の可能性」を夢見て欲しいと思います。
サミュエル・ウルマンの詩に「青春」というものがあって、結構、有名ですが、この詩は、「青春は肉体的な若さではなく心の若さをいう」とあります。
まだまだ成長の為の「伸びシロ」がふんだん残っています。
そういうポジティブな「心」を持ち続けたいと思っています。皆さんも心掛けてください。



3。さいごに

「ピンチはチャンス」という言葉があります。
同じような意味ですが「不況の時に伸びる会社が本物」というものがあります。
ガソリンを初め、諸物価が高騰する中でサバイバル・ゲーム状況の企業さんも多いと思います。
「改善」の教えの中に「ヤメル・カエル・ヘラス」という3つの視点があります。
現状では、マンネリの中で変化できずに右往左往されている企業様も多いことと思いますが、ここは一念発起して「ヤメル・カエル・ヘラス」の3つのうち「ヤメル」と仮定して、限界点を模索し、その中から浮いてくる「余裕パワー」を新規事業に注力されるのも一案と思います。
「無為無策」ということが一番ダメな状況です。
「迷う」だけでは、時間の浪費です。何かを決断して実践すれば、必ず、決着がつき、その答えからNextが見えて来ます。
PDCAサイクルを回すと言いますが、Doがないことにはサイクルが回りようないのです。
ぜひ、Doで第一歩を踏み出し頂きたいと思います。

 
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