<月刊AMI>2012年3月号 Vol.128 ■△▽●○□


1.「3つの目」を意識しよう


 右掲はPDCAサイクルを表したものです。
右上から左下に点線が引かれていますが、この点線を境に右側は「現場」であり、左側を「管理」と表しています。
管理とは英語でマネジメントという言葉を使うケースが多いのですが、会議の際には現場のリーダーが出席されるので現実に縛られて「ミクロ」な事にこだわった発言が出やすいという傾向があります。
現場で起こっていることを「CHECK」した問題点を会議で取り上げて「ACTION」(対策)を練るというのが会議の目的なのですが、どうしても「現場」の目から離れる事が出来ない方が多いのです。

 例えば、営業会議では数字を重視するのですが、目標に対して数字が不足する場合、本来なら不足分をどのように埋めるかが重要で、会議でその対策(Action)を練ろうとするのですが、往々にして、精神論で終るケースが多いのです。
これでは、何も進まないので「不足」という問題点を例えば100万円と具体化すると「事実は命令する」という大法則が働くのです。
それでも効かない方がおられるのです。クドクドと出来ない理由を言い立てても仕方なにのです。
私は、「不足すると言って放置するのは、家に持って帰る給与だとしたら、どうするのですか」と訊きたくなります。
ホンマに他人事のように思っておられるとしか見えないのです。

 「では、どのように対策を打つか」という課題が出ますが、その答えの一つが、「3つの目」という事なのです。
「3つの目」とは、「鳥の目、虫の目、魚の目」の事なのですが、
  「鳥の目」・・全社的あるいは業界的などを意識する大きな視野をもつ目
  「虫の目」・・物事にあたって複眼の目でいろんな観点からブレイク・ダウンできる目
  「魚の目」・・流れやシナリオ感をもった目

という「3つの目」です。
この内の「虫の目」が重要なのです。
一挙に100万円と考えると策が浮かばないのですが、「商品」と「お客様」という2要素で考えると「あのお客様は、こんな事を考えていた」とか「あの現場にあの商品があった」などと浮かんで来て、ターゲットとする「商品」を通して「お客様」が浮かんで来るのです。
このように「具体化」すると5万円、10万円の積み重ねで100万円へのシナリオが描けるようになるのです。

 このシナリオが描けたら、次のステップは実現に向けて行動に移すことになりますが、多くの方は「今まで通りのやり方」で考えようとするので実践の糸口がつかめないのです。
やはり、「やり方」を変えるという事が重要なのですが、今までの慣習がしみこんでいるのです。
私は、100万円へのシナリオが描けた「お客様」に会うとか現場訪問や、あるいは、中間に入る方と同行訪問するとかの策が出てくると確信しています。
相手が「人」なら、その方がおられる時間に行かないとチャンスがないので「訪問ルート」を変更して「朝一番」に行くようにするなどの策が出て来るのです。このように、今まで通りでは会えない「人」や「現場」があるのなら、思い切った「やり方」の変更で実践するとそれが大きな意外性となって相手の心をつかむことにつながるのです。
(この事は「ザイアンスの法則」の「3.その人間性を知った時に惹かれる」という点に叶っています)

 確かに、長年の慣習を変える事は難しいと思いますが、今は非常時なのです。
ライバルも虎視眈々として同じお客様に迫っているのです。しかも、経済の低迷でパイは小さくなりつつあるのです。
こんな時に、公務員のように漫然と「ぬるま湯」に浸かっていたら弱肉強食の原理で敗退しかないのです。
「なんとかしよう」という思いで第一歩を踏み出してください。
踏み出さないと変わりません。
右掲は、以前にもご紹介しています「成功の方程式」と名付けているものです。
その第一歩が「天命」を変えるスタート台となるのです。
2。「さいごに」
 3月に入り陽射しが強まって文字通り「spring has come」という事を実感します。
今年の冬は大雪に代表されるように厳冬という言葉がピッタリでしたが、やはり「地球は回っている」ですね日々に春を感じます。
私事ですが、昨年、長男に子供が誕生して「お爺ちゃん」になったのですが、その孫が成長する様子を写真で送ってくれるので、自分の時を思い出します。
昔、キャンディーズが「春は三人の日と書くのですねぇ」と歌っていましたが、長男が生まれた時が夫婦の関係が頂点でよかったように思います。
息子夫婦も春を向かえ、年を重ねて行くのですが、春から夏の期間が長いことを願っています。


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