<月刊AMI>2013年5月号 Vol.142 ■△▽●○□


1.「成功の心得十ヶ条」

 右掲は、故松下幸之助翁の「成功の心得 十ヶ条」と呼ばれているものです。まず、十ヶ条に照らして自己診断してみてください。 私の場合、十ヶ条のうち「6.衆知を集める」という事が弱点と自己採点いたしました。 どちらかと言うと、皆さんの意見を聞いて、それを参考にして方向性を決めるというスタイルではなく、どちらかと言うとワンマンに「こうだ!」と決めて押し付けるタイプなのです。 もう少し説明すると「こうだ!」と確信しない限り動かないのです。
 よく「腑に落ちる」と表現しますが、十分に納得できないで曖昧な状態では動かないのです。 でも、「一度決めたら絶対に変えない」と言う程にも頑固ではなく、状況に応じて対応できる柔軟性を持つようになっています。 よく、「ブレた」と突っ込まれる事がありますが、最初から完璧だと言う訳ではないので、そういう批判には平気でいます。 こういう批判する人の多くは、自分の意見を出さずに、批判だけで終始しているのです。 例えると、政治の世界では、民主党のようなもので、自分でやる立場になると何もできないケースが多いのです。
 さて、「強く願う」という点も重要ですね。「どうも、最近の若い者は・・」という言葉は、年をとった証拠かも知れませんが、「思い」の丈が足らないように思うのは私だけではなさそうです。「思い」は心のうちなので、外からは計りようがありません。主張や行動になって初めて分るというものです。大人しいのは大いに結構なのですが、うちに秘めたパワーを発揮して「次の時代」を担う勢いを示して欲しいのです。「覚悟」というものが不足するのか、主張も行動も中途半端なように思います。「やるのなら、やれ!」と応援したいのですが、その意気が薄いのです。
 最も重要な点は「7.コツを悟る」という点です。折角の体験をムダにしていないでしょうか。「成功」にも「失敗」にも「コツ」のヒントが隠されているのです。その折角のヒントを「ふりかえり」という事をしないで、やりっ放しにしてしまうと身につかないのです。人生は長いようですが、この蓄積がある方とない方とでは大きな差になってしまいます。私は、「ちょっとの差」と言っていますが、このような「ふりかえり」という単純なことでも身につく方とそうでない方に分かれるのです。
 その根本の差は、どこにあるのでしょうか。ひとつは「思いの強さ」という原点に戻ります。希薄な動機で仕事しているのでは、「気づき」は起こらないように思います。時間が終ったと「時間」を売っているような状態では、思いが薄いのも頷けます。一度しかない人生、誰でも1日24時間しかない条件は公平なものです。このかけがえない「時間」(人生)を、それも、9時から6時という一日のゴールデンタイムを「流す」というような感覚では、例え、アルバイトであっても「気づき」もなければ、苦痛なだけの時間を過ごすだけに終ってしまいます。
「思いの強さ」は自分で調整できるのです。京セラの稲盛さんは、
              人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
と公式化されていますが、正に、「考え方」と「熱意」が重要なのです。「能力」に大差ないのです。まず、「商品」を好きになりましょう。「商品」が好きなれば、次第に「会社」も誇りに思えて来ます。この「商品」と「会社」に誇りが持てれば、「自分」は立派な人だと尊敬されるのです。ぜひ、今一度、チェックして見て頂きたいと思います。


2.最後に
 誰しも「一度きりの人生」を生きているのです。私は、確かに、お金という尺度も重要ですが、それ は、「幸せ」という尺度ではないように思います。「志」というものが重要であり、松下さんの十ヶ条にあるように「大志」というものが重要なものと思います。 私自身は、まず、「人の役に立つ」という普遍の原点から「役立つ」=「使命」というものを大切にしたいと思っています。結局、一人では生きられないのです。 「人の役に立つ」という感謝をエネルギーにしたいと思っています。


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