<月刊AMI>2013年12月号 Vol.149 ■△▽●○□


1.「道」=Σ(経験)



右掲は、相田みつをさんの「道」という書です。
リースキンのTVコマーシャルでも使われていますので、多くの方が、あ、あれかと思われると思います。
相田さんは、

  「歩くから道になる 歩かなければ草が生える」

と書いておられますが、皆さんの実感は如何でしょうか。

 私は、一度、転職した経験があります。
その時は、「人生一度切りだから」という友人のアドバイスもあって決断したのです。
幸いにも、関連会社に転籍という形で滑り込んだのですが、この時に「道」を痛感したのです。

 しかし、20年勤務した会社から関連会社へという恵まれた環境でしたが、「道」がつながっていなかったのです。
何年も顔見知りの人ばかりですが、お客様と仲間(それも上司)では雰囲気が大きく違ったのです。
こんな恵まれた転職(アマからプロ)というのでも大変だったので、全く、知らない世界へ転職された方のご苦労は計り知れないものがあると思います。
また、その3年後、船井総研の客員経営コンサルタントという資格を頼りに独立開業したのですが、この転機は、もっと厳しいものがありました。

 お客様という点では、ゼロという状況からのスタートでした。
富士通系のソフト会社にいる友人が「PL法セミナー」を手伝わないかという誘いをくれて、セミナー参加者のフォローを営業の方と行ったのです。
そのフォローで面識が出来た会社に「AMIブレチン」というA4版で1枚の記事を毎月発信(当時は封書)してコンタクトをとっていたのです。
時々、電話フォローをしていたのですが、ラッキーにも、第一号のお客様である友定建機さんから「一度、相談したい」という電話が舞い込み、初年度、約1000万円というコンサルティング契約ができたのです。
 
こういうラッキーもあって「道」がつながって、その後、18年半も続いて来ました。
今、三男が入社してソフト事業を始めていますので、私の経験を活かしてもらっています。
彼も、お客様に可愛がって頂いて、工具販売のソフト、「ねじ」のソフト、CRMのソフトと製作して納入という経験を積んで「道」らしきものが見え始めています。

 心理学のフロイトは「心の健康は、人を愛し、働くことから生まれる」と言っているそうですが、「道」を歩むにも、必須の要件と思います。
「人を愛し」は、鏡の法則では「人から愛される」ということであり、「働く」は「ハタをラクにする」という事につながるのです。
余りにも「性善説ではないか」(浪花節やなぁ)とご指摘もあるかと思いますが、「商い」が「ビジネス」に変わりつつある今こそ、この2つの要素は必須と思っています。

 また、私は、「先義後利」という言葉が好きで、「利」を追求するのではなく、お客様に役に立つことを第一義としています。
当社では、コンサルティングの一環として、ホームページやチラシの作成をしており、最近では、システムづくりもしています。
これらは、私の顧問契約の中でさせて頂いております。
その理由は、まず問題を解決する事が専決事項であり、その為に「企画」や「業務改善」をなさるので「お金の話はしない」という主義です。
未知のことへのチャレンジなので「お金」が絡むと二の足を踏むケースが多いのです。
中には、どうしてもいう場合もありますが、殆どは契約料の中でやっています。
チャレンジされた結果、お客様が発展されて利益体質になられると当社にも配分が回ってくると信じています。
「お金」が絡むとどうしても躊躇しがちになり、「歩む」ということが出来なくなるのです。
失敗もあるのですが、「失敗は成功の母」というように「成長の種」なのです。これからも、この考え方を大事にして行きたいと思っています。


2.最後に
 今年も師走になりました。皆様は如何でしょうか。
年初に掲げた目標は達成できたでしょうか。
思う通りに事が進むなら誰もが経営者になる訳で、人生ままならぬところが面白いとも言えます。
確実に言えるのは「金を使うのは簡単だが、稼ぐのは難しい」という事です。
「稼ぐ」という点では「商品」が大切であり、飛ぶように売れる物が手に入れば、自社に営業マンがいなくても売れる訳です。
当社はシステム事業を立ち上げており、徐々に、「商品」が出来つつあります。
まずは、お客様に使って頂いて、使いやすいように改善し、他の業種でも同じように使って頂いて、共通化を図りパッケージへと進めて行きたいと思っています。
こんな小さな進歩があった一年でした。


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