<月刊AMI>2015年4月号 Vol.165 ■△▽●○□


1.創業90周年、次の10年に向けて


 皆様、創業90周年おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
一口に90年と言いますが、その間に太平洋戦争などもあり、決して順風満帆な環境ばかりではなく、右掲の統計では90年続く企業は僅か1.1%との事です。
男性の平均寿命が約80才と伸びていますが、これを10年超過しているのです。

実際に、貴社の現社長は4代目となっています。
因みに弊社は20年なので約4分の1しか残っていないことになっています。

 故船井幸雄先生の教えに「時流適応力相応一番主義」というものがあります。
これは「時流適応」「力相応」「一番主義」に分かれ、まず、「時流」というものに適応する事が大切であり、それを「力相応」に実践して、常に、一番に徹してブランド化する必要があるのです。
「一番」と決めるのはお客様なので、なかなか、厳しいものがあります。
日本の大手家電ですら「一番」というブランドを獲得できずに、大きなリストラを展開する状況なのです。

 しかし、「力相応」ということがミソなのです。
例えば、貴社では「緩む・漏れる・錆びる」という「ねじの3大悩み」にフォーカスを当て、それぞれにユニークな商品を持っており同業者も買いに来るという商品を持っていますし、例えば、「別作品」と呼んでいる特殊品では有力な加工メーカーを有しています。
このように、ニッチな分野で一番というのも「力相応」ということに当てはまるのです。
実際に、ホームページからなどの問合せも多く、また、展示会などでもブースに立ち寄るお客様が多いのです。
これらの問合せやコンタクト客から徐々に取引が始まっているのです。

 また、「時流」は一時的な流行ではなく、10年という長いスパンでの流れを言うのですが、この「時流適応」は非常に重要なことです。貴社は、次の10年で「100周年」という金字塔を打ち立てるのですが、この10年の環境の変化を読んで対応して行くことが大前提なのです。例えば、「モノタロウ」というネット通販業者がビジネスを拡大するという事は避けて通れないので、JIS規格&輸入品という品質よりも価格要因が大きなウエートを占める領域ではなく、「付加価値」すなわちお客様に代わって行う分野を強化する必要があるのです。

 例えば、別作品の進捗管理をお客様に代わって行い、Q(品質)C(コスト)D(納期)S(サービス)のレベル高めて提供する事なのです。
「品質」はプロとしてお客様が気づかない点をカバーする事も含まれており、「コスト」は自分で調達するよりも安くつく、そして、「納期」を管理して欲しい時にキチンと納入される事なのです。
この「納期」は非常に重要な要素であり、仕入先と小まめに連絡をとり、その状況をお客様に報告するという「報連相」がベースになるのです。
この「報連相」でお客様は安心できるのです。
これらを総合的に実践する「サービス」でブランド化が望まれるのです。

 ネット通販の会社が、この分野でシステム化を進めてキチンと「報連相」できるようになると非常に脅威となるのですが、零細の仕入先が多い中で、まだまだ、システム的な対応できるとは思われないので、この間に、実績を高めて「別作品ならコムウエル・フジサワ」というブランドを確立する事が重要になります。
皆様、個々が「報連相」を実践して、それを風土化して行く事が課題になります。
次の10年、皆様の努力で「付加価値」を追求してブランドとなるよう期待します。


2.最後に
 今号は企業の残存率という事を書きましたが、競争が厳しく、しかも流れが早くなっているので老舗企業と言えども、うかうかしておれないのです。
「自主的な近代化」を通して「強靭な経営体質を築く」という事が、ますます重要になっています。今日一日を振り返り、今月一ヶ月を振り返り、さらに今年一年を振り返りながら「進歩したか?」と自問自答する事が大切です。
歩みが止まるとお客様は離れてしまうのです。気を付けたいと思います。


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