<月刊AMI>2016年8月号 Vol.181 ■△▽●○□


1.「4P」から「4C」へチェンジ


右掲はマーケティングの基本概念の変化を表しています。
「4P」は古いマーケティングの教科書で叫ばれていたものです。
商品を大量に生産(仕入)して価格優位を武器に「販路」すなわち代理店網を構築して販社が売り易いように販売促進策を練るという構図の物です。
この概念は、時代背景がよかった時には非常に有効な正論だったのですが、最近のように、物溢れ時代になり「小ロット生産」が主流になると必ずしも正論とは言えなくなったのです。

 「4C」も言われ始めて、随分、時間がたっていますが、4つのCがそれぞれ意味があり、使い方によっては派生形の考え方が生まれるものです。
例えば、価値ではマイケル・ポーターが30年前に「競争優位の戦略」と題して「バリュー・チェーン」(価値連鎖)を唱え、各工程でそれぞれが付加価値を載せる事を提唱したのです。
確かに、大量生産(在庫)で価格優位を築く「4P」とは違い、「小ロット」でも付加価値のある仕事で存在感を高めることが叫ばれるようになったのです。
例えば、「ニッチNo.1戦略」は日東電工が大々的にPRしたので有名なフレーズになっています。

 私は、皆様に重要と思うのは「顧客との関係」なのです。
英語表記では‘communication’とあるように、相互の関係をつなぐ会話なのですが、ビジネスではどのように実践するかが大きな課題になります。
例えば、機械工具屋さんを例にとると「機械」を中心にしている会社と「消耗品」をメインにしている会社に大別できます。
前者は「機械」をメインですから、一つの注文で大きな売上や利益を生み出すのですが、しょっちゅう注文があるものではないので、消耗品などを機会に納品訪問するのです。
一方、「消耗品」がメインの会社は、消耗品を強化して品揃えも豊富であり、商品知識も豊富な訳で、いろんな消耗品の納入機会があり、お客様とのコンタクトが多いのです。
このコンタクトを活かして「機械」や「修理」などの情報を早く耳にして対応をとるようにされて、しかも専門業者よりも低価格で販売されているのです。


 右掲は、消耗品中心の会社の経営構図です。
リピ―ト・ビジネスで販管費(営業を含めて事業に掛かる経費)を賄える体質であり、αは機械などの突発的なビジネスの儲けは「おまけ」的な扱いになるのです。
機械が中心だと最低でも20%の粗利が欲しいのが通常の経営なのですが、消耗品がメインだとその分野で経費が賄えるので、機械の販売利益は5%でも構わないという構図なのです。この差が大きいのです。

 大学の時に、「商」という漢字は「あきない」と読むことができて、ベースの仕事にあきたらダメだと教えられました。
よく、「これが良い」と儲け話に惑わされるのですが、足元のビジネスがシッカリとしていないと儲け話に掛かり切り状態になりがちなのです。
これでは、浮ついた状態なので、それが切れるとどこへ飛んで行くか分からない状態になるのです。
そういう意味でも「お客様」との強い関係性を構築するリピート商品が大切になるのです。
リピートでビジネスが成り立てば、プラスαに過度の期待をかける必要がないので、返って商談に勝ちやすくなるのです。
私は、顧客との関係をリピート商品を通して‘communication’を行う事が大切と考えています。ご参考にして頂ければと思います。


2.最後に
 3月の健康診断で大動脈瘤が見つかって、警察病院の心臓血管外科に通っています。
7月に再検査を行い、結果が良好なので次回は半年後の来年1月となりました。
担当の先生の話では、悪いと即入院手術ですし、グレーゾーンなら3ヵ月後の再検査であり、半年後は余り進んでいないという話でした。
今の治療を継続する訳で安心できるものではないのですが、それでも、何か緊張感から解放された感じでいます。
血圧を薬に頼らずとも行えるように、健康習慣を身に付けて、元気に過ごせるようにしたいと思っています。


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