<月刊AMI>2016年12月号 Vol.185 ■△▽●○□


1.「リーダー論に学ぶ日常的実践法」


 右掲は広島の木原先生が社内の方々に毎日発信されている「デイリー・メッセージ」の10月29日号です。
先生は、10年前に癌で胃を全摘され、去年は肝臓癌が発見されて治療に取り組みながら、社員さんにメッセージを送り続けておられます。
この日は、リーダー論を取り上げて

・ベースに「素直さ」と「謙虚さ」の2要素が備わっている
・その上に「前向き」、「利他心」、「反省」の3要素が必須

と言われています。
「素直さ」や「謙虚さ」は、自分では分からないもので、他人から見た評価であり「人格」の骨格をなすものです。
他人の評価という点が非常に重要なのです。
自分では、素直で謙虚な性格と思っていても、他人、特に、利害関係のある方からは率直な意見を聞く事はないので気づく機会が少ないのです。

 次に、「前向き」、「利他心」、「反省」の3要素ですが、これは、自分でも気づき易いものですが、それでも、他者の見方が違う場合があるので要注意です。
まず、「前向き」ですが、ベースには健康でなければなりません。
その為には、健康管理が大切です。
特に、精神面での健康管理が重要で、例えば、家族や友人との間でうまく行っていないと気になるので、公的な場面の行動にも影響します。
余計なトラブルを作らない事が大切です。
次に、「利他心」ですが、よく「Win−Winの関係」と言いますが、故船井先生(船井総研の創業者)は「Give&Giveの精神」とおっしゃっていました。
「得る」よりも「与える」という積極的な精神が大切とおっしゃっていたのです。
その背景に「報恩の原則」という物が働き、多くの方は「与えられると仮を返す」という心理になるのです。
しかい、最近、怪しいものになっています。

 最後の「反省」が特に重要です。
この事も故船井先生は、「1日働けば、1日分の食い扶持と明日への蓄えが残る」とおっしゃっており、毎日の売上と儲けを計算して終わるようにと話されていました。
船井総研の日報報告には、当然、今日した事柄を書く欄があるのですが、最後に、「本日のルール化」という欄があり、ここが「明日への蓄え」になっています。
これをキチンと行い、それを個人で管理して、他のお客様で「今月のトピックス」と題して、その最初に他社の動きを話されていた方がおられました。
この方は、本もたくさん出版され、お客様も多くなり、早く役員になられました。

 このように、営業の方ばかりでなく、その他の方々も「反省」という点で毎日の売上や利益にどれ位関心をもっておられるでしょうか。
「反省」があるから「次の対策」が生まれるのです。
コンピュータで計算される「売上」と「粗利」そして「受注残」などを把握する事から初めて、それを目標予算との対比で、実働日数の経過分を稼げているかを把握する事が大切です。
各自が単月黒字という事から始まり、集合体として会社も単月黒字になり、それが続けば、決算が黒字になるのです。

この考え方は、個人の財布でも同じです。
お給料は決まった額なので、家賃や電気・ガス・水道・電話・保険などの毎月必要な経費を差し引いた分が実質的な可処分所得なのです。
このうち、明日への蓄えとして幾らかでも残るようにして、ボーナスも同じように考えることで、本当の意味で、ひと月に使える金額が出て来るのです。
これを日数で割れば「一日あたり幾ら」という金額が出るのです。この「一日幾ら」でも不意な支出に備えて少しでも残せれば、健全な家計が運営できるのです。
ぜひ、この考え方を参考にされて、毎日の必要額を設定して、その額と実際との対比を行って「反省」して頂ければと思います。


2.最後に
 上記で「明日への蓄え」を残す事が大切と書いておりますが、実は、私は昭和24年生まれでサラリーマン時代はバブルへ向かう時期でしたので、毎年に給料が上がるのが当たり前と思っておりましたし、自動車販売店に勤務していたのでローンでクルマを買うというのも当たり前のようにおもっていました。
しかし、独立して見ると「稼ぐ」という事の有難さが身に染みるようになり、上記のような「反省」で日常の出費をできるだけ節約するようになりました。
例えば、お客様へ行く時でも、往きは高速道路を使っても、帰りは地道を使うなどの地道な節約をしました。
この節約のクセが身について、余りムダ使いをしなくなりました。


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