<月刊AMI>2018年4月号 Vol.200 ■△▽●○□


1.「働き方改革」

 政府はアベノミクスの総仕上げとして「働き方改革」を持ち出して、国会で議論されています。
この大前提は生産性向上なのです。
一人当りの付加価値が高い事が前提になる改革です。
いつしか消えたプレミアム・フライデー(月末の金曜日は3時に終わる)がありましたが、1割ほどの企業が実施しているとの事です。
やはり、制度を決めたからと言って実行できる訳がないのです。
実行できるのは穴埋めする事が可能な企業なのだろうと推測しますが、大多数は不可能です。

 では、不可能な「働き方改革」をどのように進めればよいかという事になります。
皆様の会社では、集荷便が早く帰社するようになって現場作業が早くなった顕著な事例があります。
人が変わったから実現したと言えますが、同じ意味でやり方を変えたら実現する事が他にも埋もれているかも知れないのです。
改善・改革の素は「3つの‘不’」(不足・不便・不満)と言われ、それに対して積極的に対処するか否かで別れるのです。
不足や不便そして不満は誰でも感じていると思いますが、それを認識して前向きに改善しようとする事が大切なのです。

 右掲は、「成功の法則」と呼んでいる物ですが、大事な事は行動に移す事です。
第一歩を踏み出さない限り、幾ら頭で立派な事を思っても実現しないのです。
その第一歩は大きく構える必要はなく、「とりあえず」という即実践できる事から始めるのがコツです。
「3つの‘不’」を改善しようと始める事からドンドン進んで行くのです。
「雪だるま」式と言いますが、継続すれば、継続する程に効果的になって行くのです。
ところが、何もせずとも済ませられるので、放置しているとマイナスのエントロピーが蓄積して心に緩みが広がって行くのです。

 どんな事でも、まずは小さく試行する事から始まるのです。
故船井先生は「3回安定、10回固定の法則」と教えてくださいましたが、小さな取組を3回連続すると「コツ」が見えて来るのです。
そのコツを連続して磨いて行くと「流儀」みたいな確固たるものになるという教えです。
そう、「信念」という物になるのです。
2月号に「若さ」=「信念」x「自信」x「希望」と書きましたが、まず、実績に裏付けられた信念と自信が生まれるのです。
これをベースに未来への「希望」が膨らんで大きく成長するという事になります。

 ところが、「まぁ、いいや」とお茶を濁すような事で済ましてしまうと「アカ」みたいなものが心にできてマイナスのエントロピーとなるのです。
エントロピーとは熱力学の用語ですが、情報にも適用されて「”エントロピー”とは”ゴミ”の事である。」と解説する方もいらっしゃいます。
ゴミやアカなののです。
例えば、お風呂を例にとると一度くらい洗わなくてもアカは余り感じませんが、重なると見た目にも分かるようになります。
同じ事が血管の中でも起きていて、コレステロールが蓄積して高血圧や脳卒中などの障害になるのです。
私自身、大動脈瘤が発見されましたが、減塩食事や運動などを行って血流をよくした結果、53oと言われていた太さが51.5oと縮小して、お医者様もビックリしている位に奇跡的な縮小だったのです。
本当に、大動脈瘤が小さくなる事は不可能に近い事ですが、継続して行けば奇跡的な事になると実感しています。

 「働き方改革」のタイトルですが、大きな改革=Σ(小さな改革)という公式、つまり、一発逆転のホームランを狙うよりもデッドボールや四球でも構わないから前へ踏み出すという根性で取り組む事が大切です。
少しずつ好転して行けば、必ず、「働き方改革」を実施できるように生産性が向上して、その結果、待遇が改善されるのです。
まず、一人々々の「小さな取組」から始まるのです。
「3つの‘不’」を誰もやらないなら俺がやるの精神でお願いしたいと思います。


2.最後に
 4月に入り、フレッシュマンや新入学生が目立つようになりました。
前項の「働き方改革」で「エントロピー」に触れていますが、「”エントロピー”とは”ゴミ”の事である。」という表現、私はアカと表現していますが、気が付かないうちに蓄積する物です。
若い方はフレッシュな気持ちを大切にして生涯の「心の鏡」として大事にして欲しいと思います。
慣れると横着な自分が出て来ますが、これは「アカ」を残すのです。
どこかでマイナスの蓄積を実感する時が来ますが、それでは取り返しがつかないのです。
心のアカに気をつけたいと思います。


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