<月刊AMI>2002年8月号 Vol.14 ■△▽●○□

1.最近感じること・・「ひとつに絞る」


よく「保険をかける」と言って2通り3通りに手当する人がいる。私の周りでも、そのタイプの方が案外多いものである。確かに、不確定な事柄を確実化するには「保険」も重要であるが、その人たちを見ていると旨く行かないでいるケースが多いのである。個人差があって原因もさまざまであろうと思うが、私が見ていて気がつくことは、どこかに次の手があるという気持ちが働いて「集中」できないのではないかと言う事であります。

また、少し観点が違いますが「集中」できないという点では、若い人の「青い鳥シンドローム」もそうであるが、若い人ばかりでなく一般化していると思う。こんな人は、目の前の仕事に愛着が湧かずに別の道があると思っているようである。それでは、いつまで経っても大成する訳がない。そんな人は、「一本の道」に見えるように心を鍛錬する必要がある。

すべての人は平等に人生の持ち時間があって、個人差はあってもマクロには大差がない。それだけに、若いエネルギーが高い時の時間は限られているので、やり直しは本当に時間のロスである。そんな事を考えると、常に何らかの蓄積があって前進して行かねばならない事は誰でも分かる筈である。

論語に「而立、不惑、知命、耳順・・」というように順に年齢を重ねて「人生」に完成を目指す必要があるが、会社が倒産したり左前になってリストラされるケースなどで「連続性」が途切れるケースがよく見受けられる。失業という重大な局面に対峙した時に、現在の経済環境は本当に厳しいものがある。同業では、同じ環境なので即戦力として期待されるので「お客様」を持っている必要がある「お客様」を持っていることが一番の財産であることは自明である。



2.ちょっと役に立つヒント!・・「ベーシックを徹底」

コンサルティングの仕事を7年もしていると、色んなことが体験するようになる。よく船井総研の宮内先生にインストラクターとコンサルタントの相違の話を聞くが、例えば、アメリカなどの先進的な事例を持ってきて後数年の姿を描いて見せたとしても、実際の日本でどのように展開するかは極端に違うものである。そのままで、うまく行くなら外資の日本支社は何の苦労もない筈である。そんな甘いものではないのは事実である。

だから、戦略的な構図づくりも大切であるがお客様が実際に展開できるように「戦術」「戦闘」のプランをつくる必要を痛感する訳である。まず、誰でもできる段階からステップ・バイ・ステップでレベルアップして進む「人肌」の温度差が良いように思う。誰でもができるようにブレイクした作業レベルのベーシックな事を徹底させる事が基本である。そして、「できる、できる!」の連続で自信を持たせて現実の仕事に愛着を持たせる事がポイントである。何事もベーシックな事ができて初めて「戦略」に向かうのである。その慣らし期間がなくて、いきなり、高度な事を要求しても無理である。実践するノウハウのない人には旨く展開できる訳がない。

小生もコンサルティングを始めたばかりの頃は、意気込んで理想論ばかりを言っていたが、思う程実際の展開はスムーズに進まなかった。7年が経過して、その辺が分かり始めたところである。



3.さいごに・・「マナー」

新幹線で自由席に乗ることがある。ひかりでは1号車から5号車までが自由席である。禁煙席は1・2と5号車なので、5号車の待ち場所で並んでいる事がある。この時、5号車の列が長くなると指定席の6号車で並ぶ横着をする人がいる。6号車は指定席なので並ぶ人が少なく、また、駅の階段の都合で7号車側から降りる人が多い。また、5号車は、降りる人が多いので、待ち行列が動き出すまでに時間がかかるものである。すると、6号車から乗った人がすました顔で5号車に移動してくる訳である。駅のアナウンスで「割り込み」であると警告しているが、どこ吹く風である。若い女性もたまに見かけるので、嘆かわしく思う。若い人のマナーに嘆くのは年をとった証拠でもあるが、これだけは、指摘しておきたい。
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