すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第2話 「車庫証明偽造事件」

ともかく、新米社員がIBMのコンピュータ、しかも、昭和50年で1700万円もした稟議を通したのですから会社やIBMからの「期待」というプレッシャーがありました。私が、トヨタ自動車の担当員(経営相談員)をトヨタの大阪事務所までクルマで送るときに「大体、デーラーに4大卒なんか必要がないと言っているのに、その新米にコンピュータを導入させよる。コンピュータも要らんと言っているのに困った会社だ」と嘆かれたときには、「ムカっ!」と来ましたが、さすがに、その時は押さえました。
IBMは、この機種の講習会が大阪では年末になるので、東京の六本木での講習を薦めてくれました。ラッキーですね。早速、1週間の出張で勉強に行きました。ここでも、実は六本木に行くと講座掲示がないというアクシデントがありました。急遽、タクシーで新宿の方へ行ったのを覚えています。
50年12月にIBMシステム32がやってくるという10月に「車庫証明偽造事件」が発生しました。「会社ぐるみ」という疑いだったので、会社の危急存亡に関わる大事件だったのです。この時にも、エピソードがありました。先輩がわざわざ「IBMに電話した方がいい」と言ってくれるのです。「アホか」と思いました。もし、IBMに断るなら社長から直々に話がある筈だと確信していたのです。コンピュータを入れたい「一心」は怖いですね。
さすがにIBMも「栩野さん、どうなっているのですか?」と聞いて来ましたが、私は、「社長は、この事件に何の関係もない。オレを信じて仕事せよ!」と言っていると答えました。こんな波乱の中で12月に導入されました。 

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