すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第90話 「転職へ」・・人生は2度ない!B社長への反発心が動く!

このとんでもない事は、実は、若いK君が社長の要求する事へのトンチンカンな答えから起こりました。少人数の懇親会ですから、少しお酒も入りましたが、社長は、「K君、それではダメ!次に再答しなさい!」と言って、自分はピーナツを頬ばりながらビールを飲むのです。しかも、可哀想にK君は「おあずけ!」ということになりました。これが、K君の要領の悪さが重なって何度も繰り返されたのです。懇親会の「肴」状態になったのです。
私は、この状態を見て「我々は、犬や猫ではないぞ!」という怒りが胸に起こりました。依然にも、社長は「栩野君な、大衆というものは・・」という話がありました。こんな時、「自分はなんやねん!」という反発を心に持っていました。この以前からの「思い」と現実の事態が重なって(それこそシナジー)しまい、「辞めたる!」という切れた状態になりました。もちろん、瞬間ではなく、家に帰って家内と相談して思い、その場はとどまりました。
帰りに地下鉄の車内で山口君に、「もうダメだな!あした、決意するよ!」と話しました。家に帰って家内に話するとあっさり「いいよ!」と承諾してくれました。夜中になっていましたが、「辞表」を書きました。内容は、「自分の道を切り開きたい」という思いを書き、社長へのご恩返しが途中端であることを詫びる内容でありました。これを翌日、Faxで社長宅に送付することにしました。そういう体裁で辞表を作成したのですが・・
しかし、悪循環というものは面白いですね。翌日、出社すると社長の娘さんが出て来ていたのです。一応、彼女が直属の上司という事になっていたので、辞表を手渡すことにしたのです。彼女は「何ですか?」と尋ねたので「辞表です。社長にお渡しください」とお願いした訳です。これも、嫌われた理由の一つになったのだと思いますが、ともかく、悪循環の「極み」みたいな展開でした。たぶん、Faxで行っていたら、他の役員さんが懐柔に入ってくださったかも知れないのですが、その機会もなかったのです。

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